手術前に撮ったレントゲン写真です。後ろに位置している脚の膝蓋骨が大腿骨遠位部に重なって見えることで膝のお皿が脱臼していることが判ります。
前に位置している脚の膝蓋骨の位置が正しい位置であります。
術前検査で内臓の機能、心肺機能に異常無いのを確かめてから全身麻酔をかけ気管挿入します。
手術する肢の毛を刈り取って消毒の準備をしています。
肢を吊り上げてイソジンで消毒をしています。
滅菌したプラスチックフィルムで出来たサージカルドレープを使って、術野の無菌環境を確保しています。
今から皮膚を切って行きます。
膝関節を開いたところです。
今から皮膚を切って行きます。
滑車溝を深くするために、まず薄刃の鋸で溝の端に深く切れ目を入れます。
溝の幅に適合する骨ノミで関節軟骨を起こします。
軟骨の下の骨を一枚ノミで削り取ると、このように関節軟骨は温存されて滑車溝が深くなります。
この方法をブロックリセッションと言います。
次に脛骨粗面を先の尖った薄刃の鋸で切れ目を入れます。
2本のピンで脛骨粗面を止め直したところです。
いきなり終わりになりますが、縫合終了して感染防止と湿潤療法のためのフィルムドレッシングで傷を覆ったところです。
傷は縫合糸を表に出さないように埋没縫合で縫っています。
で、手術終了後のレントゲン写真です。
ピン2本はテンションバンドワイヤーという方法で止めています。
追加で打った3本目のピンは、結局不要でした。
膝のお皿が正しい位置にあることが確認できます。
術後、ケージで休んでいるワンコです。
4週間はケージに閉じ込めて生活させ、6週間は紐付きで歩行させるのみとします。