兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 手術風景(子宮蓄膿症)
診療方針

手術風景(子宮蓄膿症)

ある日の午後実施した子宮蓄膿症の手術の風景です。
13才8ヶ月令の柴犬で、2日前から膿性の下り物が出始めて急に元気食欲が消失し、2日間他院で治療を受けた後私の元に転院して来た症例です。

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年齢5才以上の子や、病気で手術しなければならない子については、麻酔前に血液検査、胸部レントゲン検査、心電図検査の3つの検査を標準の術前検査として実施するようにしています。
麻酔導入が終わり、気管挿管、各種モニター装着、静脈輸液を開始した後、術野の毛刈りをします。

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術野をイソジンで消息し、アルコール綿花で丁寧に拭き取る作業を3回は実施します。

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術野に覆い布をかけた後、プラスティックフィルムで出来た外科手術用ドレープを装着して細菌手術になるようにします。

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開腹して子宮を取り出したところです。この子の場合子宮口が開いているタイプだったのですごい量の膿性の下り物が出ていて、子宮はそんなに大きくはなっておりませんでした。

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超音波メスで卵巣動脈を凝固切開しています。
卵巣には大きな卵胞嚢腫が何個も出来ていました。

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左右の卵巣動脈を切り離した後、子宮広間膜を超音波メスで切断していきます。無影灯を切らずに撮影したために照明の加減が他の画像とは違って見えます。

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最後に、子宮頚管を超音波メスで切除しているところです。頚管はあらかじめ糸で縛って切除した途端子宮の内容が辺りにこぼれないように心掛けます。

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作業が縫合に移ったところです。モノフィラメントの合成吸収糸で腹膜と腹筋を縫って結繋しているところです。

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皮膚の縫合をしています。私はマットレス縫合という縫い方を好みます。術創の外側の皮膚を糸が跨がないからです。

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皮膚を縫い終わったら、通気性はあるけれども血液や細菌を通過させないプラスチックフィルムのドレッシングを術創に貼り付けて、湿潤療法で術創を管理します。

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麻酔から覚醒して、気管チューブを抜いた後入院室で静脈輸液を続けます。
この子は手術の翌朝には食事を食べ始めました。翌々日には相当元気になって退院して行きました。