そこそこ高齢のヨークシャーテリアの男の子の話しですが。
晩期遺残乳歯が残っていました。晩期遺残乳歯は、通常避妊や去勢手術の時に一緒に抜いてしまうのですが。この子は去勢手術をしなかったので、そのまま見過ごされてしまったみたいです。
歯石が増えて来たのが気になったとのことで、デンタルスケーリングを希望されたので、手術前の検査を、血液検査は全血球計数、血液性化学検査、血液凝固系検査を実施して。それ以外は胸部エックス線検査と心電図検査を行ってから。
麻酔をかけて口を開いて見ます。
歯石はそこそこ付着していますが。歯肉の後退は全体的には軽微です。
ただ、犬歯周りは特に歯石が多く付着していて、歯肉の後退が著しいのが見て取れます。
犬歯の辺りを拡大してみますと。下の画像になります。
晩期遺残乳犬歯が残っているために、永久犬歯との間に歯石が付着しやすくなっていて、この付近の歯周病が特に進行しているのが判ると思います。
ひと通り処置を済ませて、遺残乳歯も抜歯しました。
処置後の全体像です。
犬歯周辺の拡大像です。乳犬歯は抜いてあります。
今後は毎日歯磨きをすることで、この子の口の中は清潔に管理出来ると思います。
それにしても、晩期遺残乳歯はあなどることなく早期に抜いておく必要があることを再認識しました。
ではまた。