兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 2017 4月
院長ブログ

月別アーカイブ: 2017年4月

庭に繋いでいるだけでもマダニが寄生

 

グリーンピース動物病院の周辺は、市街地から郊外に移行するような街並みで。住宅地と田んぼや畑が混在するようなところも所々見られます。最近は、大阪や神戸のベッドタウンという感じで新しい住宅も増えて来まして。

一見して、こんなところに野生の哺乳類なんか居るわけないだろうという感じですが。

どっこい、自然豊かな加古川河川敷と、川向こうの神吉町や平荘町という田園地帯が意外と近くにありますので。
グリーンピース動物病院の近くに、深夜2時とか3時には舗装道路上を野生の狐が歩いていたりしています。

そんな自然環境のためか?先日近所の人が飼育している日本犬の子が狂犬病予防注射で来院した時に、その子の身体に多数のマダニが寄生しているのを動物看護師さんが発見しました。

飼い主様にその子の普段居る場所について訊いてみたところ。普段は庭に鎖で繋いでいて。朝夕の散歩は草が茂ったところには行かないということです。

庭の状態を訊いてみると。草は生えているということでした。

恐らくですが。庭の草にマダニが大量に棲み付いているのではないか?と思います。

そして、そのマダニは。付近を徘徊している狐やイタチなどの野生の哺乳類が落として行ったものではないか?と考えられます。

 

 

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見つけたマダニを捕まえてビンの中に入れました。大きなのが上の方に2匹と底の方に1匹見えますが。これくらいになると、動物の身体から落ちて近くの植物に取り付いて産卵するまで成長していると思います。

ワンちゃんに寄生しているマダニの数が半端でないので。即効性を期待してブラベクト錠を処方させてもらいました。そして、飼い主様には庭の草を刈り取った方が良いと思うとお伝えしました。

これで、この犬は向こう3ヶ月間はマダニに悩まされることはないでしょう。

山に入ることの全くない犬であっても、マダニに寄生されることがあるという事実は。私にとっては結構新鮮な驚きでした。

今後は普通に庭に居るだけの子でもマダニに注意して予防をお勧めしたいと思います。

ではまた。

ブラベクト錠(内服型ノミマダニ駆除剤)の安全性を勉強しました。

2015年末に、「内服するノミダニ駆除薬について(院長私見)」という記事を書きましたが。その後いろいろ勉強はして来てまして。

安全性についてもそれなりに使える印象は強くなって来てましたが。知識の整理という点ではまだ完璧に納得出来ていませんでした。

最近、ブラベクト錠という内服型ノミマダニ駆除薬について、メーカーの方にグリーンピース動物病院まで来ていただき、詳しくお薬の説明、特に安全性についての説明を受けることが出来ました。

メーカーさんからは、営業の方と学術の方のお二人が来られました。

説明の内容は。

薬効が3ヶ月持続出来るのはどうしてなのか?

犬における薬効成分の動態、分布、代謝、排泄機序。

ノミとマダニに対する実際の効果(効果発現時間、効果の持続期間)

安全性(急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、催奇形性、繁殖安全性、染色体異常、成長期の子犬に対する安全性、皮膚や眼に対する刺激性等)

2014年から諸外国で、その後我が国で販売された使用実績に基づく、有害事象発現情報の実際。

等多岐にわたりましたが。

その中で、私は特に安全性についてのお話しに集中して聴くことが出来ました。

聴いた結果として。ブラベクト錠は現時点におけるノミマダニ駆除薬の中では滴下型、内服型を含めて、トップレベルの安全性を有しているということが納得出来ました。

細かい数値は膨大多岐にわたりますので。ここには掲載しませんが。急性及び慢性毒性ではライバル製品のネクスガードに比べて2倍の安全性が確認されてますし。
実際の犬の生体合計40頭を用いて行なった繁殖試験も実施して生まれて来る子犬に対する安全性を確認しているのはこのブラベクト錠だけということですし。

販売後の有害事象についても、薬との関連性が確かなものは非常に少ないようですし。
国内販売後の有害事象についても、重大な結果の症例はほとんどが重大な基礎疾患を持っていて。例えば成犬の犬毛包虫症(アカラス)の治療のためにブラベクトを使用した子について生じているということですから。ある意味仕方がなかった症例とも思えますし。その件数も率的には非常に少ないですから。

ブラベクト錠は、効果の面からも安全性の面からも、今後私の動物病院で安心してクライアントの皆様にお勧め出来る内服型ノミマダニ駆除薬であります。

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