兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 2013 1月 25
院長ブログ

日別アーカイブ: 2013年1月25日

01/25 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

毎月第4金曜日は、仕事を抜けて自分の犬を連れ、加古川市内の老人ホーム鶴林園の訪問ボランティアに参加しています。

今日のお供はベルジアン・マリノワのゴーシュだけです。ブルテリ・新田雑愛ちゃんは昨日手が足りなくてお約束の訪問前日シャンプーが出来なかったのです。

午後1時45分に老人ホームの園庭に着いて犬たちの排泄を済ませ、2時から3時まで2階のホールでお年寄りの方々との触れ合いの時間を過ごして、3時から約25分間1階食堂でスタッフミーティングを行なって散会となります。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

今日のゴーシュはすごくお利口でした。
車椅子のお年寄りに嬉しそうにペロペロしたり撫でてもらったり。私との咬み付きパッド引っ張りっこを皆さんにご披露したり。

最後のミーティングの時間も私の傍でお座りして静かに過ごしていました。 最近は、緊張とか嬉し過ぎたりの時のオシッコの失敗も随分減っています。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

自分のケージ内での失敗も、こちらがかなり気を使ってこまめに排泄の時間を作ってやるようにしたせいもあって、ほとんど大丈夫になっています。

日常の犬舎から自動車への移動とかは、当初は紐付きでも紐無しでも勝手気ままにダッシュしたりという不測の行動をやり勝ちだったのですが。最近は私の動きを見ながら随分気を使って随行するようになって来ています。

今のところは型に嵌めるような服従訓練はほとんど何もやっていません。せいぜい芸の範囲の「お座り」と「お手」くらいです。後、咬み付きパッド使用時の「持って」と「放せ」は今日何とか出来るようになって来ました。

このままあまり難しいことを教えずに、犬にいろいろ考えてもらいながら育てて行っても良いかも知れません。 少なくとも、言葉での制止とか、賞賛が、しっかり判るようになって来ていますし。かなり私に気を使いながら行動する雰囲気も出始めています。

このまま犬と会話しながらユルめに育てて行くだけでも十分私にとっての名犬に育ってしまいそうに感じています。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

01/25 超肥満猫の避妊手術

トラちゃんは、そろそろ8才になる女の子の猫ちゃんですが。
骨格はそんなに大きくはないのにも関わらず、肉付きが異常に良くなってしまって。

現在はどう見たって肥満という感じになってしまっています。

昨年9月にワクチン接種のために来院した際、肛門から性器にかけての部分(会陰部)が異常に汚れていたところから。
一般論で言えば、避妊手術をした方が病気になる可能性も少ないことなどをお話しして、出来ればしてあげた方が良いと思いますとお話ししました。

その際に、腹部エコー検査を希望されたのでお腹の中をエコーで覗いて見たところ。
どう見ても卵胞嚢腫ではないか?と思われる陰影が観察されました。

画像の矢印の先の黒い部分が卵胞嚢腫と思われる陰影です。

会陰部の汚れは、あるいは性器からの分泌物によるものだったのかも知れませんが。その時には断言することは出来ませんでした。

この子の飼い主様は現役の看護師さんですので、獣医学的なお話しも能く理解していただいて下さったようです。

年明けに再来院して下さいまして。元気なうちに卵巣子宮摘出術を受けさせてやりたいということでしたので、術前検査として、全血球計数、血液生化学検査ひと通り、血液凝固系検査、胸部エックス線検査、コンピュータ解析装置付き心電図検査などを実施しました。

術前検査では完璧とは言えませんが、それなりに手術は可能であろうという結果が得られました。

手術は1月13日に実施しました。

麻酔とかは普通に導入覚醒が出来たのですが。やはり肥満猫ちゃんですから、お腹の中は脂肪の大海のようになっていて、子宮や卵巣の確認と分離がかなり困難でした。

お腹の中には、予想通りに卵巣に左右共、卵胞嚢腫と思われる大きな水泡が存在していました。

子宮を取り出す際に、膀胱と腎臓を繋いでいる尿管などの重要な器官を不用意に傷付けないように、通常の手術よりもすごく気を使いました。

そして、卵巣と子宮を摘出した後、閉腹する際には念のためにポリプロピレン単繊維の医療用縫合糸を使って、万が一の癒合不全に備えました。普通の猫ちゃんの手術に比べると、お腹を開けた傷の長さが倍はあります。

閉腹完了し手術が終了して、いよいよ今から覚醒させようという段階の画像です。

気管チューブ抜管後、入院室で回復を観察します。

普通に当日退院して行きましたが。

翌日 以降、しばらく飲水、排尿が見られないので皮下輸液を実施したり、いろいろ不安要素もあって気を揉んだ局面もありましたが。翌日から食欲はボチボチ見られていましたから、必ず回復すると信じておりました。

22日の火曜日に飼い主様から電話がありました。猫ちゃんは元気になっているとの報告でした。
飼い主様の勤務の都合もあり、抜糸に来院する予定が数日遅くなるということでしたが、抜糸があ少々遅くなっても大勢には影響無いとお伝えしました。

しかし、人間の手術でもそうだとは聴きますが、肥満の動物の外科手術は、私のような普通の獣医師としてはハラハラドキドキします。

無事に回復して良かったです。

 

 

 

 

 

01/24 ミニチュアピンシャーの子宮蓄膿症 白血球減少に注意

6才3ヶ月令になるミニチュアピンシャーの女の子のミニーちゃん。

22日に来院する前日から、急に嘔吐と食欲減少が生じ、同居のワンちゃんのおやつで与えていた骨を誤って飲み込んだのではないかと様子を見ていたそうなのですが。
来院当日水を飲ませたらひどく吐いたということでした。

診察台上のミニーちゃんは、何か?気分悪そうな表情で、腹部の緊張が強いように感じられます。

飼い主様に、ひと通りの血液検査と腹部エックス線検査は必要であろうとお伝えしまして。同意を得ましたので、採血とエックス線撮影を実施しました。

血液検査で気になる数値と言えば、肝機能の異常と、白血球数、特に好中球数の減少です。

腹部エックス線検査では、腹腔内に明らかに異常な陰影が見られました。

 イメージとしてはお腹の中にとぐろを巻くように存在する太いチューブ状の物体という感じでしょうか。

子宮蓄膿症の疑いがあること。好中球数の減少があるということはかなり甚急性の経過を取っているであろうこと。肝機能以上は、子宮とは関連があるのか?別物の問題なのか?は今のところは不明であることなどをお伝えして。

一応腹部エコー検査でお腹の中の物体が筒状で液体を溜めているということを確認した上で。

動物看護師に緊急手術を行なう旨伝えて、午後診終了後残業して手術を行ないました。

麻酔をかけて気管挿管をし、ガス麻酔に移行します。各種モニターを装着し、術野の毛刈り消毒。術者は手術帽、マスの装着。手荒い消毒、術衣と手術用ゴム手袋の装着。

などなど大急ぎで行なって。

いざ開腹してみると、やはり大きく膨れ上がっている子宮が出て来ました。

手術は型通りきちんと終了して。覚醒も速やかでした。

術後は入院室に入ってもらい、24時間持続点滴を続けます。

手術翌日は、気分は随分回復していたようですが。まだ食欲は湧かず。

術後2日経過した時点で急に食欲が湧いて来て、普通に食べ始めましたので、静脈留置カテーテルも抜去して退院としました。

犬の子宮蓄膿症、今回も無事に治療することが出来ました。

しかし、過去には術中に心停止が来た子や、術後に回復出来ずにそのまま亡くなった子もいるわけですから。

慢心に陥ることなく謙虚に頑張って行こうと思います。

 

01/19 猫と異物誤嚥 危ないところでした

ずっと以前に当院にかかっていたという猫ちゃんが久し振りに来院です。

4日前から咳とえずきとが激しくなっていて、当初は鼻水も出ていたそうです。

食欲は、食べてはいるけれども幾分減少傾向。

お尻で体温を測ってみましたが、38.7℃と平熱です。胸部聴診でも、心音呼吸音共に特に異常な音は聴こえません。

猫風邪にかかっているかも知れませんねとお伝えして、インターフェロンの注射をお勧めして、同意を得ましたので注射を実施して。

帰宅後に内服させるようにお薬を調剤したのですが。どうして内服させるのか?判らないということでしたので。
最初の投薬は院内で私が説明しながら実施してみせることにして。

猫の口を大きく上向きに開けて、えっ?と思いました。

咽喉の奥に黒い細い異物があるのに気が付いたのです。

もう一度、口を開けてみて、やはり異物だということを確認して。その旨を飼い主様にお伝えして。

外科用の鉗子を準備して、異物を除去すべく試みたのですが。さすがに抵抗されて叶わず。

深い鎮静、あるいは軽い麻酔が必要であることをお伝えして、同意をえまして。

拮抗薬があるので比較的覚醒させやすいタイプの鎮静剤を筋肉注射で投薬して。約7分後に意識朦朧として抵抗出来ないことを確認しつつ。口を開けて鉗子を使用して異物を取り出しました。

異物は、糸付きの縫い針で、先端が折れてました。

異物さえ取り出せばもう大丈夫だと判断しまして。拮抗剤の注射により猫ちゃんは無事に覚醒します。

今回の症例は、先入観による診療が如何に危ういかという良い例だったと思います。

初診で異物に気が付かなかったら、いずれは検査により発見されたとは思いますが。発見まで時間が長引くとそれだけ猫ちゃんは苦しむわけですし。飼い主様も心配だったと思います。

ホッとしたというのが正直なところでした。

どんな些細な症状の子でも、大したことはなかろうと嵩をくくったり軽くみたりしないで、真摯に診療に取り組んでいかなければなりませんね。