兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 行動療法
院長ブログ

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犬の自虐 常同障害?

D君は、12才と6ヶ月令になる雑種犬の男の子です。

2005年頃即ち5才の頃から、お尻や尻尾の毛や皮膚を咬む行動が目立つようになり、普段と違う場所に入れたりすると頻繁に咬む傾向があるということでした。

試しに皮膚病として治療を試みたこともありましたが、全然反応が見られませんでした。

飼い主様には、皮膚病というよりも行動異常に分類される症状の可能性が高いという話しをして来ましたが。

そのうちに、とうとう皮膚が破れるくらい激しく咬むようになったのと、グルグルと激しく回るという異常行動が発現したために、再来院された時。

たまたま猫の症例で肛門嚢の内容が溜まり過ぎてお腹や肢の毛を舐め削ってしまうのを、肛門嚢を絞ることで改善することがあるというのを、大学の獣医内科系の先生に教えてもらったことがありましたので。

肛門嚢を触ってみると異常に膨れていて、それを絞ってやると大量の内容物が出て来ました。本当に有り得ないほどの量でした。
同時に、抗不安薬を2種類ほど組み合わせて処方してみました。

1週間後に経過観察のために来院された時に、飼い主様は治療により劇的に異常行動が消失して落ち着いた状態になったという話してくれました。

その後、肛門嚢は飼い主様が絞り方を覚えて定期的に絞るようになって。しばらく投薬を続けていたのですが。

投薬中は良好であっても、2日か3日休薬するとてきめんに咬むようになるということで、投薬を継続しているような状態です。

最近、フィラリア予防に先立つ血液検査の際に、セットで検診的な詳しい内容の検査を実施してみたところ。
アルカリフォスファターゼの数値が2050IU/Lと著しい上昇が見られて。よく聴けば多尿多飲の症状もありそうだということであります。

クッシング症候群の可能性もあるので、検査と治療をお勧めしているところです。

D君、生きて行くことは本当に大変なことでありますが。何とか心安らかに生活が出来るようになって欲しいと思っております。

03/07 老犬の認知症

リュウちゃんは、15才の柴犬の男の子ですが。

昨年の10月頃より夜昼構わず遠吠えをするということで、1月18日に来院して来られました。その吠え方ですが、昼の遠吠えは大きな声「オーッ」という感じで、夜の遠吠え?は比較的小さな声「ヒンヒン」という調子だそうです。

高齢になって耳も聴こえなくなり、眼も白内障で見え難くなり、不安な気持ちが強くなって、そこに認知症が加わって、大きな声で吠えるということは、犬では結構多く見られる症状です。

そんな症例が来ると、私が行なっている治療は。内服は抗不安薬と抗鬱薬を組み合わせて処方し。食事をヒルズのブレインダイエット(b/d) というのに変更するというものです。
治療開始直後は、幾分効果があるか?という感じだったり。抗不安薬が睡眠導入剤の効果も発揮したりして最初からかなり良い感じになったりと、効果には幾分のバラつきはありますが。

リュウちゃんは投薬して1週間で夜昼共に吠える声が小さくなったという稟告が得られて。

次の2週間後は昼間もあまり吠えなくなった。夜は静かにしているということになり。

次の2週間後はかなり大人しくしています。という報告となり。

更に2週間後の今日は、以前のように夜昼とも吠えることは無く、大変助かりました。ということになりました。

処方食はずっと続けるとして、投薬はどうなんだということですが。過去には食事だけで維持出来ないか?と試みたこともありましたが。
こんな症例の場合、投薬を中止するとまた吠え始めるのがほとんどなので、投薬は継続するようにお伝えしています。

リュウちゃん、とりあえず落ち着いた感じになっています。飼い主様も安心してリュウちゃんと暮らすことが出来るという事で、すごく満足されています。

これからもずっとこんな感じで幸せな老犬生活を送ることが出来たら良いですね。