午前診開始後少しして小鳥が持ち込まれました。
動物病院から県道を2キロほど南に下ったところにあるペットショップの入り口すぐの地面に落ちて横たわっていたそうです。
小さな紙箱に入れられている小鳥は、一応意識はちゃんとしてますし。骨折とかも無さそうです。
しかし、仔細に見ていると、左の眼球の中に出血が見つかりました。
応急処置として、20%グルコースを点眼瓶から飲ませます。
一見ウグイスにも見えましたが、眉のところの色の薄い斑が見当たりません。体重はわずかに15グラム。嘴の先から尾羽の先端までの長さは12センチか13センチくらいです。
鳥の図鑑をいろいろ見ていて、かろうじて該当しそうな種類は、キビタキの雌ということになりました。
小鳥用のケージに移します。
人間が近づくと逃げようとしてひどく暴れます。野生の小鳥は、治療も難しいところがありますが。どちらかというと囚われの身になったストレスで急死することが非常に多いですから、今後の経過が心配です。
種類としては昆虫を主に食べるのですが、木の実も食べるみたいです。
ミルワームという、ペットショップで販売している昆虫食の動物用の生き餌を強制給餌して、水分補給の意味合いも込めて20%グルコースも点眼瓶から強制的に飲ませました。
1日に5回とか6回とか、虫を食べさせてグルコースを飲ませて、水はケージの中の水入れに入れて置いて。
特に外傷も無いですから、感染予防も考えなくて良いと思いますし、意識もしっかりしていますのでステロイドとかの投薬も不要だと思います。
1日か2日給餌して元気であれば早目に放鳥する方が結果としては良いのではないかと考えているところであります。