7月13日と19日の2日にわたって過去の院長ブログに掲載しておりました、エアデールテリアのエルちゃんの左前肢第3-4趾間の腫瘤は、結局切除生検までやって、「悪性黒色腫疑い」という診断が付きました。
「疑い」ということは、細胞とその配列が典型的な悪性黒色腫の形態をしていないということなのでしょうね。
しかし、そこまでの診断が付いたわけですから。切除するということになりました。
切除手術は本日午後に実施致しました。
切除生検の際に大きく取りましたので、何か腫瘤が無くなったように錯覚しそうですが、皮膚が黒っぽく見えている部分はメラノーマが浸潤しているのではないか?と疑っています。
午後1時から型通りに麻酔導入をして、術野の毛刈りと消毒、術者助手の手洗い消毒術衣手袋の装着を行ない。切皮開始は50分くらいでしたか?
手術時間は切皮から縫合終了まで約1時間でした。
出来上がりの画像はこんな感じです。
足の裏の大きな肉球と人間で言う人差し指、小指を残したのは、なるべく自然に歩行出来るようにと考えたからなのですが。
もしかして、その結果として健康な部位を付けて完全切除をする、いわゆるマージンが不足して、腫瘍細胞が残ってしまう可能性もあります。
そこで、摘出した組織はもう一度病理検査に出して、完全切除が達成出来ているのかどうか?を組織学的に見てもらうことにしました。
ボトルの中に見えているのは、摘出した中指と薬指に相当する趾です。
エルちゃんは、術後はケージで休んでおります。今日の午後6時には退院出来ると思います。
完全切除が出来ていて、再発や転移が生じませんように。