先日から治療にかかっております。ヨークシャテリアの乾性角結膜炎ですが。
片方の子は、治療に反応著しく、回復順調です。
涙の量を計測するシルマー涙液テストをやっているところですが。涙の量は試験紙が青く変色する位置を読むわけです。
向かって左側の試験紙が症状の出ていた右眼で、右側の試験紙が症状は出ていなかったものの涙の量が減っていた左眼です。それぞれ最初よりも涙液の量は増加しています。
この子は、この調子で治療して行けば、治ることは無いにしても、コントロール出来るように思います。
しかし、同じ犬種、ヨークシャーテリアで、同じ時期にもう1頭乾性角結膜炎に罹患して治療している子がおります。
この子の場合、同じ免疫抑制剤の点眼では全く反応は見られませんでした。
症状の出ていなかった眼の涙液は、しかし、倍ほど涙液産生が増加していますから、具合の悪かった眼が治療に反応しないのは、もしかして、涙を分泌する涙腺という組織が、自己抗体の攻撃によって完全に破壊されてしまったということなのかも?知れません。
画像は、その子の涙液産生試験の模様です。試験紙が全然変色して来ないのがお判りになることと思います。
で、具合の悪い方の眼は、こんな感じで、乾性角結膜炎は改善していません。
調子の良い眼の画像はこんな感じです。如何にも健康そうな感じです。
で、乾性角結膜炎が免疫抑制剤の点眼治療に反応しない場合は。人口涙液という涙を補充するお薬とかを使用するのですが。
私が最近好んで使用する人口涙液は、米国から輸入した軟膏タイプの「ピュアルーブ」という製品です。
抗菌剤入りの目薬で洗ってからこのピュアルーブを点眼すると、割りと良い感じで管理出来るように思います。
しかし、何でも同じように行けないものです。動物の医療は思うように行かないことも多く難しいです。