急性膿皮症とは、犬猫の皮膚に生じる急性の化膿性炎症のことであり、英語ではPyodermaと表現する。

症状は、ある日突然皮膚がベトベトの化膿性炎症を起こすもので、ひどい痛みを伴うことが多い。
原因としては、蚤による刺激、その他のアレルギーなどいろいろ言われているが、夏場に発症することが多く、特にアレルギー体質と思えない犬でも発症が見ら れることから、夏場の高温により皮膚局所の免疫系がおかしくなって、即ち皮膚の天然のバリヤーが異常をきたして発症することが多いように感じられる。 治療は簡単で、第１選択剤としてセファロスポリン系の抗生物質を服用させる。 投薬は最低でも２週間、普通は３週間必要である。 あんまりにも症状が激烈で動物の苦痛が激しい場合少量だけステロイドホルモンを併用すると苦痛軽減が速やかに図られるように感じている。
なお、セファロスポリン系抗生物質単独の投与では腸内細菌の異常をきたして下痢をする子が多いので、同時に抗生物質耐性ビフィズス菌の整腸剤を処方するよ うにしている。 また、第１選択剤で治りが悪い場合には局所から膿を採取して細菌培養と抗生物質感受性試験を試みなければならない。